2012年2月 8日 (水)

戦国無情 首取り 伊藤 潤氏について

今宵は「戦国無情 首取り」伊藤 潤氏の読後感想を投稿いたします。

 文庫情報としては、ISBN978-4-06-276997-6 講談社文庫 2011年6月15日発行となります。

 確かに、いい!!

 「戦国無情」伊藤 潤氏、久々に納得しました。伊藤潤氏の作品は今回が初めてですが、イヤー面白い。

 戦国時代、合戦が始まり、その合戦での戦功の証は敵の首の数、質(?)によって決められる。つまり何首取ったのか、どのような身分の首を取ったのか(大将首なのか)で戦功が決定されるわけだ。

 この作品集にはその、戦場での首取りの様々な状況や話が描かれている。

 下級武士、特に足軽などは出世の糸口になるのだから、敵の首取りは必至である。

 

 作品としては「頼まれ首」「間違い首」「要らぬ首」「雑兵首」「もらい首」「拾い首」の6編が収録されている。この6編には時代を超えた人間の慾、業の強さ、哀しさ、脆さなどが悲劇というより喜劇に近いドラマとして描かれている。(それがなんとも、いい)

 新たな時代小説(時代小説のニューウエーブ)という感じがしたほどだ。(君も、騙されて一読しなさい。面白いぞ)

 獲った首に振り回される人、獲ったがために嘘をつき通すひとの哀れ、獲った首を横獲りするひとの悲劇など笑いたいほど面白く興味ぶかい。

 最近、珍しく楽しめた作品だ。(いい。)

 作者の伊藤潤氏の作品をもっと楽しみたいと思います。

 益々、時代小説は楽しめるものになるようだ。

 私はふと(足軽である自身を含めて)足軽の悲しさ、狡さ、喜劇を思い知った気がする。

 足軽バンザーイ(何を言っているのか?人間味があっていい。って感じ)

 それでは、今宵はこれまで

2012年2月 4日 (土)

一命 滝口康彦氏について

今宵は「一命」滝口康彦氏の読後感想を投稿いたします。

 文庫情報としては、ISBN978-4-06-277009-5 講談社文庫 2011年6月15日発行となります。

 本文庫は滝口氏の特に初期の傑作時代短編集という感じだ。

 「異聞浪人記」「貞女の櫛」「謀殺」「上意討ち心得」「高柳父子」「拝領妻始末」の6編が収録されている。

 文庫の題名が一命なのだが、作品のタイトルではない。これは「異聞浪人記」を原作とした映画のタイトルだ。

 かつて仲代達也さんが主演で映画化(こちらは「切腹」)されたが、この一命は市川海老蔵さんが主演の映画タイトルだ。どちらの作品もカンヌ映画祭出品の優れた作品のようだ。どちらかといえば仲・・・(おっと)どちらとも言えないが、確かに感動する映画と言える。

 浪人はいつの時代でも生活の上では厳しく苦労の多い人達ではないか思う。

 浪人生活を維持するには剣術道場を開く(これはまだ良い。上の上)手習いの師匠(上の下)用心棒(中の中)傘張(中の下)人足(下の中)辻斬り・強請り(下の下)「異聞浪人記」の芸州広島の福島家の浪人千々岩求女は井伊家の玄関先を借り切腹したいと申し出る。しかし、意に反して切腹のため庭先をお貸ししようということになる。

 申し出通り、切腹という運びになるのだが、千々岩求女の脇差は竹光なのだ。

 これで、どうして腹かっぱざくことができるのか(なんと残酷な)

 求女は竹光を腹に刺し、あげくは舌を噛んで死ぬ。

 井伊家に仕官をしている武士の見世物同然の処置である。(同じ武士ではないのか)

 そして、死んだ千々岩求女の舅にあたる津雲半四郎が主な井伊家の敵を討つという結末だ。(これが武士の悲哀というものか)

 作者の滝口康彦氏は武士の悲哀を描き続けた作家として知られているが、武士道とは哀しいものであると思う。(それだけではないとも思う)

 更に、浪人は辛いものであると思う。(それだけではないとも思う)

 武士にせよ浪人にせよ自信の思い様一つではないだろうか。

 哀しくもあり、辛くもある。

 最適な心持ちを継続することは優れた処世の一つのような気がする。

 今日は立派な口をきいたようだ。(本人としてはだが)

 この一冊は浪人の好きな貴兄に捧ぐ。

 今宵はこれまで

2012年2月 2日 (木)

謎手本忠臣蔵 加藤廣氏について

今宵は「謎手本忠臣蔵」加藤廣氏の読後感想を投稿いたします。

 文庫情報としては、ISBN978-4-10-133055-6 新潮文庫 2011年12月1日発行となります。

 あっぱれな浪人と言えば、まず心に浮かんでくるのは赤穂浪人、そう赤穂浪士四十七士であろうか。(私の場合、やはりこれに尽きるようだ)

 忠臣蔵ものは数あるものの本書の歴史的推理は少し驚くものがあった。

 松の廊下での浅野匠守の刃傷は、決定的な根拠がこれとは言えないが、憶測するところいくつもの推理がなされている。賄賂無疑惑、塩田法拒否疑惑など何れにしても浅野が吉良に対して何かしらの遺恨により刃傷に及んだということになる。

 しかし、加藤氏の作品(謎手本忠臣蔵)では柳沢の圭一計画の実現のために水面下での様々ないきさつが刃傷の根拠に繋がるというようだ。(未読の方のために詳しくは言えないが。私もこれ以上は言えねェ)

 

 確かに、これまでの忠臣蔵ものの中では、奇抜な解釈がなされているようだ。

 しかも、ミステリーを読んでいるような、早く結末を知りたいという願いのまま一気読みさせられる一冊ではないだろうか。

 実に面白かった。氏の他の作品もなかなか興味深い作品が多い。

 それとなく氏のファンに落ちていきそうな気がする。

 本日は、はこれまで

2012年2月 1日 (水)

ブログ あっぱれな浪人について

 あっぱれな浪人は私の趣味である時代小説の中の浪人、無宿、白波などアウトローな男たちについての感想や批評を投稿しているブログです。

 やはり体制的なヒーローよりも破天荒な、しかし人の情けを知る男たちに魅力を感じています。

 今後、そんな時代小説にであったなら彼らのことを報告して行きます。

2012年2月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29      
無料ブログはココログ